ポーカープレイヤーは「浮世離れした存在」なのか?

プロフェッショナルポーカープレイヤーはリアルの世界のことを何も分かっていないとはよく言われることですが、本当にそうなのでしょうか?

Internet meme

(日本語版編集注:本コラムのオリジナル英語版は 3 月末に掲載されたものです。)

もしあなたが今週ツイッターをチェックしていたとしたら、ポーカーコミュニティ内でもここ最近そう見かけなかった熱い議論が交わされたのを目撃したのではないでしょうか。トピックとなったのは、自分が勝った時にディーラーへ渡すチップに関する倫理の話でした。このチップの問題それ自体も興味深いのですが、それよりも衝撃的だったのは、このディベートがあらゆる立場投げかけられた、陰険なまでの罵り合いとなったことでした。ポーカーはただのゲームだというのに、そこで起きる議論がこのような激烈なものになり得るというのは、注目すべきことです。

今週私はいろんな人と個人的にこの件で話をしたのですが、そこで何度も聞かされたコメントが、「ポーカープレイヤーってのは、シャボン玉の中に住んでいるんだよ(他の世界から隔離された浮世離れした生き方をしているの意)」というものでした。このような些細な問題に対して、ポーカーコミュニティからかくのごとき辛辣な批判が出てくると言うことは、ポーカーコミュニティの人間、少なくともプロフェッショナルプレイヤー達は、その他の世界から孤立して生きていることの証拠とは言えないでしょうか。

ポーカープレイヤーは、他の誰もが当然持ち合わせているような基本的な生活スキルを持っていないというのは、よく聞かされるジョークです。また、我々はポーカープレイヤーは「現実世界」でまともに生きていけるのだろうかということも話題に上りますし、これもまた、ポーカーの世界はその他の社会の外側に位置づけられているということを示唆しています。

ポーカープレイヤーは本当に「シャボン玉の住人」なのでしょうか?

「本物の」仕事ではない?

boy in bubble

まず、手短に答えを述べるなら、それはイエスです。でも「シャボン玉の住人」のお仲間達、もう少しばかり話を聞いてください。

そうなる理由の多くは、ポーカーが魅力的であるそもそもの理由でもあって、プロフェッショナルポーカープレイヤーは、他の人たちが毎日経験しているような日常の出来事を避けて通れると言うことです。

例えば、彼らは 1 日のスケジュールを自分で決めていますので、9 時から 5 時までの出勤を繰り返すなどというのは、ほとんど経験しませんし、次の日に早く起きなければならないので早く寝なくてはならないという心配もありません。ワンハンドでベットされた額の金が、「本物の仕事」をしている人の一生分にもなり得る環境にあって、ポーカープレイヤーはおそらく金についての態度も他の人とは違っていると言えるでしょう。ポーカープレイヤーはしばしばテーブルで長時間を過ごし、余暇の時間にはポーカー掲示板をチェックして過ごしたりするので、多くのポーカープレイヤーはその他の多くの人達のようには世の中のニュースのことを気に掛けません。通常のキャリアを歩んでいる人のほとんどは、顧客だったり、少なくともボスの世話にならずには生きていけないので、彼らの振る舞いや行動はそれなりに抑制が効いており、生活維持のためにも自分が譲歩したりもしますが、ポーカープレイヤーはどうかというと、自分が自分のボスで、顧客もいないのです。

ただ、ポーカー界の人間すべてが「シャボン玉の住人」というわけではなくて、政治的関心も高く、金の価値をきちんと分かっている人もいますし、ポーカープレイヤーの中にはとても素晴らしいチャリティ事業で資金を集める人もいて、そんな彼らは明らかに自分の目の前の世界の外の事も理解して(そして気に掛けて)います。

フィルターバブル

filter bubble

私が思うに、ポーカープレイヤーを浮世から隔絶する「シャボン玉」は確かに存在するものの、そこで指摘しておきたいのは、我々は皆、いろんな種類のシャボン玉の中に住んでいるということです。人がグループを作るというのは自然の習わしなのでしょうが、特にインターネットは、世界をひとつにするためのツールであったはずなのに、実際には我々をシャボン玉の中で暮らすように後押ししているのです。我々にとって視野の水平線を広げてくれるはずだったインターネットですが、我々はどちらかというとこれを、自分と同類の同じ考えを持った人々を探すために利用しているように思われるのです。

インターネットはまた我々に、自分たちが見たいものを見せるように最適化するように出来ており、これは「フィルターバブル*」と呼ばれています (同タイトルの本(邦訳:『閉じこもるインターネット―グーグル・パーソナライズ・民主主義―』)は大いにお勧め出来る本です)。Facebook、Google、Twitter、YouTube などはすべて、我々がこれまでの活動履歴などから、我々が見たがっているであろうと思われるものを向こうが推定して見せるアルゴリズムを備えています。例えばこれらのポータルのどれかで「ドナルド・トランプ」で検索すると、検索した人が民主党員か共和党員かで大きく異なる結果を表示することになるでしょう。我々は自分が同意するであろうことばかり目にすることとなります。我々が自分と意見の異なる人たちに乱暴な態度を取るようになりつつあるのは、多分それが理由なのでしょう。

(*訳注:フィルターバブルとは、インターネット検索サイトのアルゴリズムが、ユーザーの情報(所在地、過去のクリック履歴、検索履歴など)に基づいてユーザーが見たい情報を選択的に推定するような検索結果を出すことが原因で、ユーザーがその人の観点に合わない情報から隔離され、実質的に彼ら自身の文化的、思想的な皮膜(バブル)の中に孤立するようになっていくこと。-Wikipedia より転載)

私がまるで、皆が皆現実から自分を遮断して生きているかのように主張していると思われる前に、ポーカーを擁護する大事なポイントを上げさせてください。それはポーカーが真のグローバルな拡がりをもったゲームであり、ポーカーのおかげで我々は、通常の仕事をしていたら絶対に行かなかったであろう場所に旅行したり、絶対に会うことの無かった人たちと出会えているのです。ポーカーのおかげで私には世界中に友人がいます。ポーカーのおかげで私はニューヨークでアメリカ人の介添人と共に結婚式を挙げました(私はイギリス人です)。ポーカーがあったからこそ私は世界中を旅行して回れたのです。ポーカーはあなたの視界の水平線を拡げてくれるのです。あなたがそうなるように行動さえすれば。

ポーカーは我々を浮世から隔たらせる「シャボン玉」である点については、他のシャボン玉よりも強力だといえそうです。何故ならポーカーで上手くやっていくために必要なスキルの多くは、「通常の仕事」に求められているものとは全く逆のものだからです。しかしながら、もしあなたがシャボン玉の外に出てみたいのいうのであれば、まずやるべきはインターネットの使い方を見直す(多分それはインターネットから離れて暮らす時間を増やすということになるでしょう)ことで、ポーカー的行動を変えようと試みるのはその後でもいいのではないでしょうか。

あなたはプロフェッショナルポーカープレイヤーは浮世離れした「シャボン玉の住人」だと思いますか?コメント欄にご意見をお寄せください。

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コメント (4)

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  • Takuya0417

    #1

    haha
  • Takuya0417

    #2

    Very interesting. so good. this is wonderful. thanks for show how win.
  • junichiro

    #3

    以前はそう思うこともありましたが、いまはそうは思いません。身近なプレイヤーがプロに(サラリーマンと同程度しか稼いでいない人もいるけど、ポーカーでそれを成せてるのは十分素晴らしい)なっているので。

    自分もプロを目指したい。
  • cosmicfunk9

    #4

    なるほど‼